アメリカ大手MTGデータサイト『MTG Goldfish』の動画などに出演するインフルエンサー『Saffron Olive』さんがUB作品に対して感じていた事を言語化した動画が大きな反響を得ています。
今回は、動画内容(ネタバレを含む)とYoutubeのコメント欄などの反応をまとめていきます。
❙ Why Final Fantasy Felt Like Magic (but Marvel Doesn’t)
ここからは一部動画のネタバレになりますが、
アメリカのMTGインフルエンサー『Saffron Olive』さんが2つのUB(ユニバースビヨンド)に対して感じている意見をYoutubeで公開し、多くの反響を呼んでいます。
全編英語ですが、激しく視聴をおススメします!
※動画本編は全編英語のため、翻訳&要約しています。
動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=dXHNOn3l2Sw
ほぼネタバレを含みますが、この動画で発信している内容をまとめていきます。
【動画内容】
『MTG×FINALFANTASY』『MTG×マーベルスーパーヒーローズ』共通点として、
いずれも壮大な世界観を持ち、長きにわたり愛されているIPが起用されていて具体的には、
『FINALFANTASY』シリーズは世界で最も売れているゲームソフトであり、
『マーベルスーパーヒーローズ』は世界最大のIPの1つです。

しかし、『Saffron Olive』さんは、FINALFANTASYシリーズを遊んだこともなければ、マーベルの映画を見たこともなくどちらか一方に “拘り” や “愛情” は無くIPに対する気持ちは公平な視点で見て、
『MTG×FINALFANTASY』はワクワクする気持ちがあり、
『MTG×マーベルスーパーヒーローズ』は伝説のクリーチャーが多すぎて誰かのコレクションファイルを見ている気になる。
それは、どちらかが優れたデザイン という訳ではなく、リソースを費やしたわけではない。
単純にMTGが『FINALFANTASY』との親和性が高かったと思う。

『MTG×FINALFANTASY』は『FINALFANTASY』の世界観をMTGで表現しているが、『MTG×マーベルスーパーヒーローズ』は大きなショーケース(ディスプレイ)に感じられる。

ここで各IPの比較をしてみると、
いずれも歴史は長く類似点も多いが『Saffron Olive』さんにとっては同じではなかった。
■歴史
FF:1987年にリリース
マーベル:1940年代にコミックスを発売
■作品数
FF:メインシリーズ16、スピンオフ数百
マーベル:37本の映画、コミックスの種類は5万冊
■キャラクター
FF:メインシリーズのプレイアブルキャラは100名以上
マーベル:メインキャラ100名以上、コミックスの無名キャラ含めると約8万
■MTGでの伝説クリーチャー収録数
FF:99名
マーベル:128名
『FINALFANTASY』は16セットを1つにまとめれば “まとまり” は感じられないと普通は考えるが、実際にプレイヤーの多くは “まとまり” を感じられたハズだ。
要因は、全て別の世界だがその中に共通のキーワードがあった。
・クリスタル
・召喚獣
・飛空艇
・チョコボ
・魔法 や 剣

逆にマーベルは意図的に一貫性がないが、最大の武器である『多様性』。
その世界は、
・ストリートレベルの犯罪
・ミュータント
・北欧神話
・宇宙帝国
・タイムトラベル
・スパイスリラー(諜報員や工作などのサスペンスアクション)

その『多様性』によってMTGセットにするのが難しい。
MTGはキャラクターゲームではなく、世界観を構築するゲームであると考えられる。
MTGの本質は ”ヒーローのカッコイイ姿を見るのではなく、あなたが強力な魔法使いとなり多元宇宙を旅して友を作り、敵を打ち負かすゲーム” である。
優れたMTGセットでは
ラブニカなら、ギルドに参加する。
イニストラードなら、モンスターと戦う。
ゼンディカーなら、世界を探索できる。
プレイヤーは常に体験の中心にいて、
多くのプレイヤーはギルドのキャラクター名を覚えていない。
それは ”あなたがキャラクターであり、重要なのは場所” ストーリー上の探検、クリーチャー、バトル、派閥、出来事がありそれが体験でありキャラクターを見ていないという事。
ラブニカには10のギルドがあり、あなたの嗜好と近いギルドに興味をしめしそこに所属する。
ラブニカを象徴するのはキャラではなく、場所(ギルド)である事がこの事実の裏付けです。

では、キャラクターをフィーチャーして失敗した一番分かりやすい例は『カルロフ邸殺人事件』
ウィザーズがラブニカ次元よりもキャラクターに焦点をてようとしたがラブニカ次元で一番人気のないセットになった。

印象の話で、
『FINALFANTASY』は世界を探索する世界優先のIPで『マーベル』はキャラクターが先に来る。
ウィザーズはそれぞれのセットでそれらを再現した事で、
『FINALFANTASY』と『マーベルスーパーヒーローズ』は同じUBセットでも軸が異なった。
世界感か? キャラクターか?これらはUBのみに当てはまることではない。
近年のMTGセットで失敗と議論される下記3セットはいずれも世界観よりもキャラクターやレースチームに焦点を当てていた。
・サンダージャンクションの無法者
・カルロフ邸殺人事件
・霊気走破

そして、UB作品
・MTG×マーベルスパイダーマン
・MTG×ミュータントタートルズ
は同じ理由で伸び悩んでいると主張したい。
プレイヤーが探索するよりも、キャラクターに焦点をあてすぎたセットである。
失敗するセットはプレイヤーが主人公ではなく、
そこに登場するキャラクターが主人公になっている。
『MTG×マーベルスーパーヒーローズ』にはプレイヤーが探検する様子はない。
『MTG×FINALFANTASY』はファンタジーゲームであるため、MTGセットのような構造が自然で
・仲間を集め
・武器を装備し
・呪文を唱え
・モンスターと戦い
・ボスを倒す
その多くの行動がMTGで再現されるのを待っていたようだ。

マーベール作品『スパイダーマン』のストーリーで面白いのは、
・キャラクターが持つ超能力
・キャラクターの人生(秘密の正体、人間関係、葛藤)

カードにしても『Rent Is Due/家賃を払え』はファンタジーな世界ではなく、
彼が強力な敵を倒すファンタジーではなく、ただの人間である事を思い出させるだけだった。

比較対象として最良の例は装備品で、
・FF
>ジョブ選択メカニズムがあり、英雄トークンを雇いチームに加えられる。
>あなが世界の一部になるのに役立つ。
・マーベル
>ほとんどの装備品がキャラクターに結び付けられている。
>結び付けられたキャラか、その他の誰かのものである。

数日間、『両者が似ているが何かが違う』という点を考えてきたが これが答えだと思う。
ここで、もう一つ気になるセット『ロードオブザリング』はどう思うか?
サム、フロド、ガンダルフ と言った象徴的なキャラクターは存在するが、
この物語は “根本的に世界を旅する物語” で “指輪を破壊する” という目的を持って各エリアを旅に同行する。
これは、MTGの人気セットに類似している。

まとめると…
なぜ『FINALFANTASY』はMTGのように感じ、『マーベルスーパーヒーローズ』はそう感じないのか?
MTGはプレイヤーに世界を与える時に最も優れていて失敗するときは、世界は誰かの物。
プレイヤーは「UBを減らして欲しい」ではなく「UBでMTGが大切にしてきた事を表現して欲しい」という事で、プレイヤーは物語を傍観するNPCではなく、主人公になった気分を味わいたいのだ。

❙ コメント欄の反応 ※翻訳&要約
・私も何か違うと感じていたのですが、全く理由が分かりませんでした。原因を突き止めてくれてありがとうございます!
・皆さん大好きです。コミュニティの意見を代弁してくれてありがとう
・「マジック:ザ・ギャザリングにとって、ファイナルファンタジーがテーブルを飾った時期は、その歴史の中で最も記憶に残る時期の一つだった。しかし、マーベルとの関わりは…ただの火曜日だった。」
・これまであまり設定や伝承に詳しくなかったのに、設定や伝承が彼と様々な次元との繋がりにおいていかに大きな役割を果たしているかを指摘しているのは興味深い。
・よく考えてみれば、背後に強大な悪者がいるような世界でさえ、同じようなものだ。アラーラは確かにボーラスによって破壊されたが、これらのセットはそれが世界とその住人にどのような影響を与えるかを探求している。
・おそらくこれまでのあなたの作品の中で最高傑作でしょう。MTGファンでありながら、同時に批評家でもあるあなたの姿勢に感銘を受けました。影響力のある立場にある人が、どちらか一方しか支持しないのは好ましくありません。
・すごい!最近のMTGセットに関する私の問題点を完璧に言い表してくれました。マジックの世界観や雰囲気に深くハマっている私でも、なぜほとんどのUBセットが没入感に欠けるのか、うまく説明できなかったのですが、あなたはそれをとてもうまく表現してくれました。素晴らしい!
・ダスクモーンが帽子セットの中で最高だった理由、そしてエッジ・オブ・エタニティーズが宇宙をテーマにしたセットとして非常に突飛だったにもかかわらず、大成功を収めた理由がこれです。これらのセットはどちらも、訪れることができる世界や場所についてであり、よく見ればより大きなプロットへの小さなヒントがあります。一方、マーダーズ・アット・カルロフ・マナーは、ラヴニカの場所についてほとんど何も語っていませんでした。
・数々の奇抜なスーパーヒーローが登場するマーベルの世界は、あまりにも現実と近すぎるため、多くのマジックプレイヤーはそれを受け入れがたいと感じている。彼らは、自分たちの世界に少しひねりを加えただけの世界を、マーベルの世界観として構築しようとはしないのだ。
・これはWOTCの全員にとって必見の映像だ。セス、素晴らしい!最高だったよ。
・非常によくまとまっていますね。10年くらい前、Wizards of the Coastが新しいセットが出るたびに、文化から地理、歴史まであらゆることを解説した「プレインズウォーカーガイド」を出版していたのを覚えています。とても素晴らしいものでした。
・友達と話していた時、まるでカフェに座っている人たちが、背景にマーベルのキャラクターたちが飛び回っているような感覚だった。一方、ファンタスティック・フォーのセットは、まるで新しい世界を探検し、モンスターと戦っているような気分にさせてくれる。
・あなたはまさに的を射たことを言っていると思います。ファンタジーのIPS(インプット・システムズ・ポリシー)が魔法にうまく反映されるという、多くの人が言うこととも一致しています。奥深い世界構築はファンタジー物語の本質的な要素なので、当然ながら、こうした世界は魔法により適しているのです。
・正直なところ、特定のIPに対して不満な点がいくつもあるものの、結局はゲーム内での効果が好きなカードを使うことになる。銀枠のカードをどんぐり枠や黒枠に変更するというアンフィニティのアイデアは大嫌いだったが、それでも「Saw in Half」は登場以来、どのデッキにも必ず入れている。ありがたいことに、ここ数年で新しいイラストがいくつか追加されたので、それも助けになっている。
・MTGの歴史では、セットはトップダウン(設定/ストーリーからメカニズムへ)かボトムアップ(メカニズムから設定へ)のどちらかで設計されていましたが、近年はほとんどすべてのセットがトップダウンになっています。そのため、多くのセットは完全なセットというより、IP配置のように感じられます。
・的確な表現で、テーマの問題だけでなく、UBセットに限った問題でもない理由がよく分かります。私もファイナルファンタジーとアバターには詳しくありませんが、これらのセットは世界観の重要な点をうまく伝えていて、ストーリーテリングとゲームプレイの両方で没入感があり、ゲームメカニクスが世界観をさらに発展させていたため楽しめました。
・UWとの繋がりは本当に興味深いですね。ラヴニカは「私はこの世界を探検し、その一部となるためにやってきた」という感覚が強く、一方エーテルドリフトは「私は他の人がマリオカートをしているのを見ている」という感じです。
・そう、それこそが人々がブルームバロウを愛した理由でもあるんです。まるで、過ぎ去った季節とこれから訪れる季節を知りながら、あらゆる季節を体験できる場所に行ったような感覚でした。
最初はカロリー低めにしようと思っていたのですが、
マジで良い動画だったのでテンション上がってほぼ全編書いてしまった。
公式でもお呼ばれされる方がこの点をハッキリと言語化してくれたのはありがたいし、凄い!


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